
本日は神田に来ています。
神田といえば多くの老舗のお蕎麦屋さんが軒を連ねますが、その中でも1880年創業で約140年の歴史を誇る老舗、【かんだやぶそば】さんにとある平日のお昼にお邪魔させて頂きました。
JR神田駅から徒歩で8分ほど歩いていくと、

「藪御三家(かんだやぶそば、並木藪蕎麦、池の端藪蕎麦)」の一角を担う老舗のお蕎麦屋さんとして名が知られている【かんだやぶそば】さんの、「やぶそば」と書かれた釣行燈が見えてきます。
【神田藪蕎麦】時代の2001年には東京都選定歴史的建造物としても指定を受けたこちらのお店ですが、残念ながら2013年の夜間に発生した火災により旧店舗は取り壊され、今の新しい店舗は同じ敷地に2014年に 立て直された店舗です。
ただ、先ほどもご紹介した釣行燈や看板については火災からも焼け残り、今も当時のものをそのまま使用されているとの事です。

さて、門をくぐり早速歴史ある店内へとお邪魔させて頂きましょう。
お昼時のピークの時間は過ぎていることもあり、お客さんは疎らですが、とてもゆったりとした時間が流れています。
小上がりの座敷やテーブル席で計100席ほどの広々とした店内では、平日のお昼間から人生の先輩方が蕎麦前を 楽しまれています。
そうした羨ましい姿を横目に、
季節のおすすめ(若竹の煮びたし、若竹そば、季節の天ぷら)や、お蕎麦屋さんならではの酒菜、
そしてお蕎麦のメニューを眺めていると、どうしても私も周りに便乗して一杯だけ頂きたい気持ちが抑えきれずに、

泣く泣くではありますが、ノンアルコールビールを一杯だけお願いさせて頂きました。

ノンアルコールビールにも関わらず、蕎麦味噌をお通しで出して頂く、心遣いは大変に嬉しいですね。
はぁ、今日が週末のお昼間で、ちびちびやりながら日本酒をグイっといけたらどんだけ幸せだったことでしょうか。
などとは思いながらも、無いよりはましかなとノンアルコールビールでグイっと一口のどを潤します。

先に頼んでおいた、「季節の天ぷら」は、春の山菜の盛り合わせです。

少し衣が厚く、ぼてっとした感じはありますが、フキノトウやゼンマイ等の天婦羅で、程よい良い苦みを楽しみながら春の訪れを感じます。
一緒に頼んでおいた「せいろう」も「天ぷら」と同じタイミングで出していただきました。

写真から、お蕎麦の色が少し緑がかっているのが分かりますでしょうか?
これはもともと、『神田藪蕎麦』の蕎麦は、蕎麦の味が落ちる夏の時期に、見た目だけでもお客さんに清涼感を楽しんでもらおうと、蕎麦の若芽を練りこみ緑色にしていたことが、特徴の一つだからだそうです。
ただ今は、蕎麦の若芽ではなく、クロレラが練りこまれて、伝統の緑色のお蕎麦を受け継がれていらっしゃるとのことです。

そば粉10に小麦粉1の「外一」で打たれているお蕎麦は、コシがしっかりとしていて、

これも「藪系」の特徴である、辛口のコクのあるおつゆにお蕎麦を半分ほどつけてずずっと頂くと、のど越しを楽しめます。
せいろうの盛りは、蕎麦前を楽しんだ後には丁度良い位の分量な事もあり、あっという間に手繰り終えてしまいます。

最後はあっさりとした蕎麦湯でホッと一息ついてお会計。
花番さんの名物「ありがとうぞんじま~す」を後方に耳で楽しみながら、お店を後にします。
正直、お蕎麦も天婦羅も感動を覚える”何か”があるわけではないのですが、ついついふらっと立ち寄ってしまうのは、歴史からくる不思議な魅力があるからなのかなぁ、と駅に向かう道すがら思いにふけりつつ、本日もお昼間より上機嫌。
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かんだやぶそば (そば(蕎麦) / 淡路町駅、新御茶ノ水駅、小川町駅)
昼総合点★★★☆☆ 3.5