本日は中野坂上に来ています。
いつもの様に、とある週末のお昼間から友人たちとの楽しい蕎麦会をと思い、丸の内線と大江戸線の中野坂上駅より徒歩5分ほどの【ら すとらあだ】さんにお邪魔させて頂きました。
閑静な住宅街の一角にあり、看板も、暖簾も、表札もない一軒家の為、場所を知らないと通り過ぎてしまいそうになりますが、
てんとう虫が可愛い、軒先のライトを目印に向かわれてくださいね。
ただ、本当に普通のご自宅かと思われる佇まいなため、ドアを開けるのも勇気がいると思いますが、そこは勇気をもってドアを開けて入っていくと、
これまた実家に帰ってきたかの様な玄関で靴を脱ぎ、店内へと上がらせて頂きます。
ご主人が一品料理とお蕎麦を準備されるのを目の前で楽しむことが出来るオープンキッチンのカウンター席に、座敷のテーブル席は2卓のみととてもこじんまりとしていて、安心感とゆったりとした時間が流れています。
ちなみに店内では、ジョジョ3部の承太郎とイギーの複製画も楽しめますよ。
「神亀純米清酒」のワンカップの瓶に入れられて、まずは手作りのおしぼりを出していただきました。
亀の親子があしらわれた瓶がとても可愛く、ほっこりしますね。
拘りのあるお店でみる日本酒のワンカップ瓶はオシャレで、可愛く感じてしまいますね。
さて、【ら すとらあだ】さんではアラカルトでのメニューはなく、基本はコースのみとなっています。
まずの一品目に出して頂くのは、この後の料理のベースとなる「かつお節の薄削りの出汁」を一杯そのまま楽しませて頂きます。
香りがとても出ていて、優しい旨味にホッとします。
あぁ、日本人に生まれてよかったなぁと思いながら、飲み物もお願いしようと、まず一杯目には、
長野県の玉村本店さんが作られているクラフトビール「志賀高原ビール」のラインナップの中から、「House IPA」を頂きました。
看板商品のIPAですが、こちらの「House IPA」は従来のIPAよりもさらにホップをふんだんに使い、アルコール度数も8%と少し高めですが、飲み口は高いアルコール度数を感じさせないほどに、とても爽快で、美味しいビールでした。
友人がお願いした他の「志賀高原ビール」 の飲み比べを楽しんでいると、
おひさま農園という知り合いの農家さんから取り寄せされているとのお野菜のお浸しを出していただきました。
優しいお出汁の味がとっても染みています。
ビールのボトルも空いたことなので、ここからはゆっくりと日本酒と合わせながらご主人の料理を楽しみたいなと、
一杯目には沼津の地酒で、髙嶋酒造さんの「白隠正宗」を頂きました。
穏やかな香りが漂い、ドライなキレが印象に残る飲み口の一杯です。
続いての一品料理も私たちの料理の手の進み具合に合わせ、
真っ赤な色合いが美しく、塩などは使われていないとの事ですが上品な甘さが口の中に残る「とまとの煮こごり」に、
ふわっと香る磯の香りがなんとも良い「あおさの茶わん蒸し」を順番に出していただきました。
女性の店員さんが一品一品出してくれる際に、食材のこだわり等も詳しくご説明頂けるのも嬉しく、食材本来の味を楽しみつつ、
続いての日本酒は「手取川」も有名な、吉田酒造店さんの「吉田蔵」を頂きます。
「鶏団子の椀物」の優しいスープにホッと一息挟みつつ、
群馬の島岡酒造さんの「群馬泉」の初しぼりをお代わりさせて頂きます。
「きゅうりの浅漬けにかつお出汁のジュレをかけた」一品は見た目にもとても涼しく、つるりと一口で頂いて、
新そばを練り上げられて作られた「蕎麦がき」 は、シンプルにそのまま頂いても、深い蕎麦の香りを口いっぱいに楽しむことが出来ますが、
酒の肴としても出していただいている「からすみ」を少し崩して、お塩の代わりに「蕎麦がき」に振りかけて頂いてもとても美味しいです。
「からすみ」単体でも日本酒がどんだけでも進んでしまう上に、この香り深い「蕎麦がき」を合わせて頂くものだから、日本酒の杯がどうしても進んでしまうわけでして、
穏やかで心地の良い、爽やかな香りとお米の旨味が楽しめる、福岡の旭菊酒造の特約店限定ラベルである「大地」に、
埼玉の釜屋さんの「釜屋新八」をお代わりしつつ、コースの〆になるお蕎麦を待ちます。
それにしても、ご店主自らも日本酒が大好きとの事で、休みの日には蔵元を巡って酒蔵を見学、試飲し、厳選して日本酒もお店に揃えているとの事で、お任せで順番に日本酒のボトルは持ってきて頂きましたが、本当にどの銘柄も美味しく楽しませて頂きました。
さて、お蕎麦ですが、まずはおつゆと薬味のおろし大根をもってきていただき、毎日その日に使う蕎麦粉を、蕎麦の実の種類や粒の大きさに合わせて挽き加減を変え、ベストの状態に仕上げるために手回しの石臼で1時間以上かけて挽かれている、産地別のお蕎麦を一口ずつ順番に出していただきます。
一皿目は群馬県産、二皿目には茨城の静御前を、
三皿目は北海道の音威子府のものを少し太打ちで、そして最後の一皿は粗挽きの平打ちのお蕎麦と、それぞれ産地も打ち方も変えて、蕎麦粉の持ち味を引き出されたお蕎麦の食べ比べを、シンプルにそのまま、またはお塩を軽くつけて、のど越しではなく、お蕎麦本来の香りと味わいを噛みしめながら楽しませていただきました。
美味い。
最後には、平打ちの温かいお蕎麦を一杯頂き、余ったおつゆと蕎麦湯でホッと一息ついてお会計。
どの一品もお蕎麦も、ご主人の拘りと料理とお蕎麦への想いが伝わってくるフルコースを存分に味わせて頂きました。
次回は夜にでもお伺いし、カウンター席でご主人からお蕎麦や日本酒のことを色々と学ばせて頂きながら蕎麦屋酒を楽しみたいなと思いつつ、本当に素敵な蕎麦屋酒の時間を過ごさせて頂き、本日もお昼間より大変に上機嫌。
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ら すとらあだ (そば(蕎麦) / 中野坂上駅、中野新橋駅、西新宿五丁目駅)
昼総合点★★★☆☆ 3.8